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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.76
2025/3/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。
YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。
毎月25日に、鮮度の高い“ヤングアダルト”の情報を
YAカレント同好会会員の皆様にお届けしています。
春の光が心地よい季節になりましたね。
新学期・新生活に向けて忙しない春休みとは思いますが、
普段読まないような本を読むチャンスでもあります。
例えば、理系が得意な高校生が「たまには違う分野を」と
歴史小説を読んでみたところ、思いがけず夢中になり、
歴史研究にも興味を持つようになった、
という話を聞いたことがあります。
このように、ちょっとしたきっかけで
新たな興味が芽生えることもあります。
図書館は、そんな「偶然の出会い」を生み出す場でもありますね。
・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第37回「ホットスタート」スタイル
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[4] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第37回「ホットスタート」スタイル
ライトノベルをはじめ、エンタメ作品には
「お決まりの展開、物語パターン」というべきものがあります。
基本的には「その方が盛り上がる」「ファンが喜ぶ」ために
踏襲するのですが、人によっては面食らってしまうことも
あるかもしれません。また、パターンを理解することで、
自分の好みに合う作品が選びやすくなることもあるでしょう。
そこで、この連載でライトノベルやエンタメ作品で
よく見られるパターンを紹介したく思います。
今回紹介するのは「ホットスタート」と呼ぶべき物語パターンです。
小説を読んでいたり、映画を見ていると、いきなりバトルや
アクションのシーンから始まる作品がよくありますよね。
たとえば、『インディ・ジョーンズ』で、主人公が
遺跡のトラップ解除に失敗して巨大な石に追いかけられたり、
『007』で敵のアジトに侵入したりするアレです。
ライトノベルや漫画だと、暴れ回る怪人・ヴィラン・悪党に対して
ヒーローが颯爽と現れて攻撃するシーンから始まる作品がしばしば見られます。
また、ヒーローやスポーツ選手の主人公が敗れるシーンから始まり、
そこからリベンジの物語が展開される作品も多いですね。
最初から熱い展開なので「ホットスタート」なわけです。
このパターンがなぜ魅力的なのか。それは、盛り上がりにくい
静かなシーンをすっ飛ばして、盛り上がりやすいシーンから
始めることで、作品の面白さが伝わりやすいからです。
キャラクターのカッコいいところを最初から出せるのも重要ですね。
冒頭をアクション性の強いミニ・エピソードから始めることで、
長い物語への耐性が低い(小説などを読み慣れていない)
読者にとっても満足感が強い、という要素も見逃せません。
ぜひ皆さんも、冒頭がバトルやアクションから始まる物語を見たら
「アレだな」とばかりニヤリとしてみてください。
(執筆:榎本事務所 榎本海月様)
[2] 名作ライトノベル紹介
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第37回 逢空万太『這いよれ! ニャル子さん』
(GA文庫)
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普通の高校生、八坂真尋は夜道で名状し難き怪物に襲われる。
そんな彼を救ったのは、「ニャル子」を名乗る謎の少女だった。
彼女曰く「自分はクトゥルー神話に登場するニャルラトホテプである」
「さらにその正体は宇宙人である」、そして「真尋は他の宇宙人に
狙われている」という。仕方なくニャル子と同居することになった真尋だが、
彼の周囲では次々とドタバタ事件が起きる。何よりも、ハイテンションかつ
真尋にベタ惚れのニャル子が、すごい勢いで真尋を振り回すのだ。
やがて、クトゥグアのクー子やハスターのハス太も現れ、
真尋の周囲はどんどん騒がしくなっていく……。
もともと「知る人ぞ知る」存在だったのが
「クトゥルー神話(クトゥルフ神話)」です。
アメリカの怪奇作家ラブクラフトの作品を出発点に、
さまざまな作家たちが関与して作品を発表し、
一大シェアードワールドを作り上げるに至りました。
その「クトゥルー神話」が21世紀になってから大ブームになり、
知名度が上がると共に数多くのパロディ作品も世に出ています。
中でも若年層への知名度向上に大きく貢献したと思われるのが
本シリーズで、アニメ化まで果たしています。
基本的にはシリーズ刊行時(2009〜2014年)の時事ネタや
オタクネタをふんだんに盛り込みながら展開していく、
ギャグ盛り盛りのドタバタラブコメ
(作者曰く「ラブクラフトコメディ」)です。
しかし、そこに「クトゥルー神話に登場する神々は皆宇宙人だった」
「地球はにはすでに宇宙人が関与してきている」という
SF的な設定を盛り込むことで、一味違う読み味になっています。
加えて、ニャル子をはじめとするヒロインたちが
意外にちゃんとかわいい(まあどうしようもないところも
たくさんありますが)のもセールスポイントです。
(執筆:榎本事務所 榎本海月様)
[3] 読者アンケート
アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。
Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。
Q2 ヤングアダルト向けの選書で参考にされている
情報媒体等を教えてください。
Q3 利用者向けの展示やイベントや工夫されていることを教えてください。
Q4 ご自身のお仕事や、それ以外のことでも
学び直ししたいことがあれば教えてください。
以下、応募フォームよりご応募ください。
▼▼▼
https://ya-current.com/magazine76inquery/
※4月18日(金)までを締め切りとさせていただきます。
[4] DBジャパン新刊information
~新刊案内~
『日本の物語・お話絵本登場人物索引2016-2018』
A5・356頁 定価22,000円(本体20,000円+税10%)
ISBN: 978-4-86140-576-1
2025年2月刊行
好評の『日本の物語・お話絵本 登場人物索引 2007-2015』の続編!
特定の登場人物を含む作品を探したいときや、
作家名やタイトルを忘れてしまったが
断片的な記憶から絵本を再発見したいときに
便利な図書館のレファレンスツールです。
その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/
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YAカレント同好会のDBジャパン
DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2025年4月25日(金)に配信予定です。
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ご連絡ください。
発行元:YAカレント同好会(株式会社DBジャパン)
「リュディエ通信」編集部
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