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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.58
2023/9/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。

毎月25日に、鮮度の高い“ヤングアダルト”の情報を
YAカレント同好会会員の皆様にお届けしています!

9月に入っても猛暑日が見られましたが、
そろそろ暑さも落ち着くのではと言われていますね。

さて、9月から10月にかけては文化祭・学園祭シーズンですね。
図書館を開放して、来場者に向けてイベントを
行うところも多いことでしょう。
保護者の方に図書館の様子を見てもらったり、
生徒が作ったPOPコンテストや読書クイズなどの
イベントを行うことで、読書推進にもつながりそうですね。

・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第28回「ライトノベルというジャンル」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[4] 司書トレ新着information
[5] DBジャパン新刊information
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

[1] ライトノベルAtoZ 第28回「ライトノベルというジャンル」

ライトノベルは「小説ジャンル」の一種です。
しかし、例えばファンタジーやミステリー、SFなど内容で
分類できるタイプのジャンルとはちょっと事情が違います。

ライトノベルはファンタジーやミステリー、
SFなどを内包した「小説の形」につくジャンルなのです。
その有り様を「ノンジャンル」や「ゼロジャンル」などと
呼ぶ向きもありました。

この連載の第1回で、一番基本的な定義として
以下のものを紹介しました(あくまで基本的なものに過ぎませんし、
また時間が経過してライトノベルが変質する中で「文庫サイズ」という
定義はほぼ外れたようにも思います)。
「イラストがついていて、文庫サイズで、
若者(中学生や高校生)向けの、娯楽小説」

これは、内容にはほとんど触れていませんよね? 
「若者向け」という要素がちょっと内容に関係してきますが、
しかし例えば「あまり若者向けではない」と
見られやすい歴史・時代ものであっても、
若者向けでヒットするケースはしばしば散見されます。
やはり内容とは基本的に関係がないと言えそうです。

「ゲームっぽい世界が舞台のファンタジー冒険もの」のように、
流行りのジャンル(内容)の作品が書店の棚や小説サイトのランキングに
ずらりと並ぶこともありますが、しかしそれはあくまで
流行り廃りの問題だ……というのも、以前触れたことがあります。
一見してワンパターンに見えても、実際にはいろいろな
ジャンル(内容)の作品が世に出され、読まれているものなのです。

この辺り、もししっくり来ない方がおられたら、
少年漫画のようなものだと思っていただけるとわかりやすいでしょう。
少年漫画は一つのジャンルですが、例えば週刊少年ジャンプの
連載ラインナップを見ても、実に多様なジャンル(内容)の
作品が並んでいます。読者の需要や編集部側の戦略と
いうものがありますから、似たような傾向の作品が増えたり、
あるいは「スポーツ漫画だけで三本も連載している!」
ということもなくはないです。

しかし、全体の傾向としては多種多様なジャンル(内容)
の作品が共存しているのです。
ライトノベルも同じなのだと考えてみてください。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
第28回 古橋秀之
『ブラックロッド』シリーズ(ケイオス・ヘキサ三部作)、(電撃文庫、GoRA)
○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

その時代、人々が暮らす場所は、塔めいた巨大積層都市になっていた。
都市を成立させているのは人間の機械化(サイバー化)までを
実現させた科学、そして呪術・魔術。

そんな積層都市の一つ、〈ケイオス・ヘキサ〉に
現れたのが魔人ゼン・ランドー。
いくつもの都市を崩壊させてきた、恐るべき破壊者である。
ランドー追跡の任を与えられたのは、
黒杖特捜官ブラックロッドのうち一人。
「ブラックロッド」は名前ではない。
彼らの手にする黒杖に由来する役職の名前でしかなく、
名前も感情も封じられ、強力だが無個性な存在となっている。

そんな彼がランドーを追い、また相棒である魔女と
触れ合う中で変化していく――しかし、それさえも
陰謀のパーツとして、物語は加速していく。

以上が第一作『ブラックロッド』のあらすじです。
この作品でも登場する吸血鬼の過去を描く『ブラッドジャケット』、
そして物語がとてつもない結末へ辿り着く
『ブライトライツ・ホーリーランド』の三部作が、いわゆる
『ブラックロッド』シリーズ〈ケイオス・ヘキサ〉三部作となります。

以前紹介した高畑京一郎『タイム・リープ あしたはきのう』と並んで、
電撃文庫の初期を支えた著者の、代表的な作品になります。
長く絶版で伝説的な存在になっていたのですが、
近年、著者主導のクラウドファンディング企画によって
ついに復刊されましたので、満を持して扱わせていただきます。

本作(特に『ブラックロッド』)の、
サイバネティクス技術を施されたスーパーエージェントが、
自らの実存と向き合いながら巨大な陰謀に絡め取られていく様は、
伝統的なサイバーパンクの文脈に完全に合致しています。

しかしその一方で呪術・魔術が融合した特異な世界観は、
いかにもライトノベル的な「なんでもあり」精神の発露でもあって、
90年代のライトノベルに絶大な影響を与えました。
「ライトノベルってこういうものでしょ」という概念を
お持ちの方にこそ今読んでほしい、骨太のSFライトノベルです。

ただ、作品によって少々セクシャルな
要素も入ってきますので、そこはご注意を。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] 読者アンケート

アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 ヤングアダルトサービス関連イベントの企画運営で
お困りのことがあれば教えてください。

Q3 反響が高かった利用者向けの図書館イベントがあれば教えてください。

Q4 ご自身のお仕事や、それ以外のことでも
「スキルアップ」したいことあれば教えてください。

以下、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼
https://ya-current.com/magazine58inquery/

※10月18日(水)までを締め切りとさせていただきます。

[4] 司書トレ新着information

「プレゼンテーション・スキル」(全館種共通)を新たに追加しました!
 
★「プレゼンテーション・スキル」内容紹介
相手に自身の考えを伝え行動を促すための
プレゼンテーションに関する技術。
利用者へのレクチャーや研修・ガイダンスにも応用できる、
話の基本構成や伝え方をより良くするための具体的な方法まで、
事例を用いて解説する。

プレゼンテーション・スキル 結城俊也

[5] DBジャパン新刊information

~新刊案内~
『ショートストーリーを楽しむための児童文学・ライトノベル2011-2015』
A5・420頁 定価25,300円(本体23,000円+税10%)
ISBN: 978-4-86140-398-9
2023年9月刊行

短編集やアンソロジーの本から、テーマやジャンルに
応じて本を見つけられる!
読書初心者向けや朝読の選書、レファレンス、
ヤングコーナーづくりの資料の参考にもなり、ショートストーリーを
好きなジャンルで探したいときに便利な索引です。

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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YAカレント同好会のDBジャパン

DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2023年10月25日(水)に配信予定です。

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