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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.36
2021/11/25発行
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第十七回 「ライトノベルと書き方本」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] コラム 「“利用者増加策”について考える」
[4] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[5] 司書トレ新着information
[6] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第十七回 「ライトノベルと書き方本」

多くのエンタメがそうであるように、ライトノベルもまた、
読み手の中から新しい書き手がどんどん生まれてきました。
ただ、何の助けもなしに創作をするのは簡単なことではありません。
前回紹介したような学校もありますが、時間や資金の問題で
敷居が高いと感じる人も少なくないはず。

そんな時にお勧めなのが、「書き方」の本、いわゆる
ハウトゥー本の類に頼ることです。そこまで価格が高くないものが
多いですし、小説を書くために必要なテクニックや
知識がギュッと詰まっているのも嬉しいところです。
ただ、一口にライトノベルに使える書き方本といっても、
書かれた時代や目的、重視するポイントが多種多様で、
どの本から手をつけたらいいかわからないという人も多いでしょう。

そこで、簡単にですが、それらの書き方本の紹介をします。
図書館の利用者さんから相談された時などに参考にしてみてください。

最もわかりやすいのは、プロのライトノベル作家が
自分の作品や経験をもとに「具体的にどうしたらいいのか」を
紹介してくれるパターンでしょう。
ライトノベルでは冲方丁の『新装版 冲方丁のライトノベルの書き方講座』や、
五代ゆう・榊一郎の『五代ゆう&榊一郎の小説指南』などが代表的です。

このタイプですと体験談や人生訓なども入ってきて、
エッセイ的に読み物としても楽しめるのがいいところですね。
ライトノベル作家ではありませんが、大沢在昌の
『小説講座 売れる作家の全技術 デビューだけで満足してはいけない』
も評判がいいようです。

古くから人気がある書き方本には、
ディーン・R. クーンツ『ベストセラー小説の書き方』や、
新井一『シナリオの基礎技術』などがあります。
また、アンジェラ・アッカーマンとベッカ・パグリッシの
類語辞典シリーズは、状況に合わせた言葉の使い方を
覚えるのに大変有効で、近年注目されていますね。

もちろん、私が所属する株式会社榎本事務所でも、
数々の書き方本を発表させていただいています。
私たちがプロの小説家、編集者、そして専門学校の講師などして
活動してきた体験をもとにしており、お勧めしたい本はいくらでもありますが、
ここではDBジャパンさんより刊行させていただいた
『この一冊がプロへの道を開く!エンタメ小説の書き方
(https://es-books.jp/495/)』を。
最初の一歩としてピッタリの本だと自負しています。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

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第十七回 あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS』(富士見ファンタジア文庫)
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横浜市の沖合いに浮かぶ人工島、通称「特区」。
そこは赤き血(レッドブラッド)の人間と、
黒き血(ブラックブラッド)の吸血鬼が密かに共存する場所だった。
物語はその特区を吸血鬼の兄弟が訪れるところから始まる。

兄は望月ジロー、弟は望月コタロウ。
吸血鬼の中でも特別な運命を背負った兄弟だ。
そんな2人を迎え入れ、何かと世話をするのは特区において
吸血鬼トラブルを解決する秘密結社「カンパニー」の調停員、葛城ミミコ。

次々巻き起こる事件に対処する中で3人は絆を深めていくが、
一方で特区そのものの破滅の足音も近づいてくる。
10年前、特区と同じように人間と吸血鬼が共存して繁栄していた
香港を崩壊させ、人間たちに吸血鬼への恐怖を刻みつける原因となった、
「九龍の血統」の吸血鬼たちが暗躍していたからだ――。

本シリーズに登場する吸血鬼たちは、人の血を吸い数百年でも
数千年でも生きるなど、私たちがフィクションなどで見知っている
吸血鬼と概ね同じ存在です。社会の裏側で古代から存在してきましたが、
10年前の事件以来人間から迫害されている、という側面もあります。

一方で、「血統」というグループの概念やさまざまな能力など
独自の設定も付加され、ちょっとゲーム的な面白さも備えています。
そんな彼らと、寿命が短い代わりに吸血鬼たちが失ってしまったものを
まだ持っている人間たちを対比しながら描かれるこの物語は、
非常に稀有なスケール感を備えています。

物語は基本的にジロー、コタロウ、ミミコら主要人物たちの
周囲で展開していくのですが、彼らの活躍や苦難は
そのまま世界の在り方が変わっていく流れにもつながっていきます。
また、主要人物たち以外のキャラクターたちそれぞれにも事情があり、
生活があり、想いがあることが非常に丁寧に描かれており、
さらに時には作中における過去の出来事までもが今に繋がっていて、
物語の壮大さに寄与しているのです。
なにしろ、ジローたちは吸血鬼ですから! 

私が特に気に入っているのは短編集に収録された、
ジローたちが世界恐慌に遭遇するエピソード。
物語は過去・現在・未来という縦軸でも、
また特区・世界という横軸でも広がって、
世界が音を立てて動いていくダイナミズムを
味わわせてくれるのです。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] コラム 「“利用者増加策”について考える」

先月は、図書館の利用者を増やすための一つ目のステップとして
利用してもらいたい人物像=モデルを設定する重要性をご紹介しました。
今回は、二つ目のステップとして、モデルの“ニーズ”を満たす
重要性についてお話しします。

図書館における利用者が持つニーズを埋める方法論は、
図書館を利用すること以外にもたくさんあります。
例えば歴史好きな女性である“歴女”で考えてみると、
大河ドラマをきっかけに歴史を好きになったモデルの場合、
大河ドラマを見ることがニーズを満たす一つの方法になります。

モデルを、そういった歴女に設定したのであれば、
大河ドラマを視聴することでニーズが満たされる以上に、
図書館を利用することでニーズを満たせるようにしなくてはなりません。

このようにモデルが何を嬉しがっているのかを研究し、
モデルのニーズを満たす他の選択肢を知った上で、
そのライバルにはできていない、図書館だけのニーズの
満たし方を実現できれば、利用者の増加につながるかもしれませんね。

[4] 読者アンケート
アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 選書で参考にされている情報(情報サイト、情報誌)を教えてください。

Q3 ご自身のお仕事のスキルアップのために、読んでいるメディアが
あれば教えてください。

Q4 セミナーで講演を聞いてみたい内容があれば教えてください。

下記、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼
https://ya-current.com/magazine36inquery/

※12月22日(水)までを締め切りとさせていただきます。

[5] 司書トレ新着information

「パス・ファインダー作成」(全館種共通)を新たに追加しました!

★パス・ファインダー作成とは…
図書館利用者の利便性を高めるためのパス・ファインダー。
それを自館の関係者間で標準的なものとして構成し、
改善していくための基本的な知識と技術を解説する。

パス・ファインダー作成 毛利 和弘

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[6] DBジャパン新刊information
~新刊案内~

「テーマ・ジャンル・歴史上の人物からさがす歴史・時代小説2020」
A5・330頁 定価(本体22,000円+税)
ISBN: 978-4-86140-214-2 2021年10月刊行

「テーマ・ジャンル・歴史上の人物からさがす歴史・時代小説2019」の続編。
選書、レファレンス、テーマ展示の参考資料など、
用途に応じて歴史・時代小説が選べる便利な図書館のレファレンスツールです。
2020年に日本で刊行された歴史・時代小説831作品を収録。

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

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「リュディエ通信」次回は2021年12月25日(土)に配信予定です。

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