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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.28
2021/3/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。

毎月25日にYAカレント同好会会員の皆さまに、
“ヤングアダルト”にまつわるお役立ち情報をお届けしています。

桜の開花が始まり、暖かい季節になりました。
旅行シーズンではありますが、例年通りの外出が
なかなか難しいということもあるかもしれません。
旅行業界では、「オンラインツアー」という
体験ツアーを始めているところもあるようです。
国内・外の旅行気分を自宅で手軽に味わえるのはいいですね。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第十三回「ライトノベル作家のいろいろなお仕事」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] コラム「多彩な“歴史もの”ライトノベル」
[4] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[5] 司書トレ新着information
[6] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第十三回「ライトノベル作家のいろいろなお仕事」

ライトノベル作家はライトノベル執筆だけで生活できているのでしょうか。
これは小説家全般に言えることなのですが、必ずしもそうではありません。
作品を書き、発表するチャンスはそこまで潤沢にあるわけではないのです。

そこで、本業あるいは副業を別に持つ兼業作家が多くなります。
最も多いのは、昼や平日に働き、夜や休日を執筆にあてるケースでしょう。
執筆時間はどうしても減りますが、生活の安定や社会人としての活動が
作品執筆にプラスの影響を与えるケースも多いようです。

一方で、作家活動に近い部分で別の仕事を持っている人も少なからずいます。
たとえばライター(本記事のような原稿を書くのもライター仕事の一つですね!)
として活動していたり、あるいは漫画原作やアニメの脚本を
書いたりしているライトノベル作家もいます。

ソーシャルネットワークゲーム(いわゆる「ソシャゲ」)ブームの中で、
人気ライトノベル作家がシナリオを書いていることが
ウリのゲームなども出てきました。こういうケースは
生活のために……ということもあるのでしょうが、
仕事の幅を広げたいという思惑も強いように思います。

小説の専門学校やカルチャースクールなどで教えている
ライトノベル作家もいます。何をどんなふうに教えるかはそれぞれですが、
単に仕事として付き合うだけでなく、自分も若い作家志望者の
皆さんから刺激を受けるためにやっている人が多いのではないでしょうか。
私も講師の仕事をやっていますが、若い彼らと接するのは
いつもエキサイティングな体験です。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

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第十三回 花田一三六『戦塵外史』シリーズ(GA文庫)
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これは「大陸」と呼ばれる地域を舞台にした物語――。
たった5人でひとつの国を奪いとってしまおうという
とんでもない試みに、嬉々として参加する豪雄ダリウスの
奇想天外な大暴れを描いた長編『野を馳せる風のように』をはじめ、
さまざまに魅力的な人物の物語をまとめた群像劇的シリーズ。

かつて角川書店から刊行されていたシリーズが復刊され、
新作も含めて6巻まで刊行されました。
もし、あなたが司馬遼太郎ほかの歴史小説に
親しんでいる人であるなら、このシリーズは最初のライトノベルとして
最も適しているかもしれません。というのも、
『戦塵外史』は歴史小説の手法で書かれたライトノベルであるからです。

作中ではたびたび「この史料にこういう記述がある」
「この人物の子孫が今も残っている」といった描写が登場し、
地に足がついた印象を強化しますが、しかしそれは全くのフィクションです。
あくまで架空の世界の架空の歴史を、まるで本当の史実を題材にした
歴史小説であるように描くところにこのシリーズの面白さがあります。

もちろん、魅力的なのは小説手法だけではありません。
ダリウスをはじめ、個性的でかっこいいキャラクター、
人を惹きつける力を持ったキャラクターが次々と登場します。
そして、彼らの思惑が合流していくと大河のように
壮大な物語が姿を見せる……そんなところも歴史小説的だ、と私は思うのです。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] コラム「多彩な“歴史もの”ライトノベル」

今月の「名作ライトノベル紹介」コラムでは、
歴史小説の手法で書かれた作品をご紹介いただきましたが、
ライトノベル・ライト文芸の索引を編纂しながら、
“歴史もの”のライトノベル・ライト文芸作品の
キャラクター設定やストーリーの多様性には驚かされます。

例えば、男性の歴史上の人物が女体化(男性が女性の身体になったり、
元々女性であったというパロディになっている)していたり、
歴史上の人物が過去からタイムスリップして現代で暮らしていたり、
中国を舞台にした中華風のファンタジーであったりと、
さまざまな切り口の作品があります。

ちなみに、“歴史もの”のライトノベルにおいて
登場頻度が多い歴史上人物としては、弊社の索引
「テーマ・ジャンル・歴史上の人物からさがす歴史・時代小説」でも
登場作品が1位である織田信長や、陰陽師が活躍する作品が多いことから、
安倍晴明などが挙げられます。以下が登場作品例ですが、
同じ人物なのに、キャラクター設定やストーリー性が
異なるのが興味深いポイントです。

<織田信長 登場作品例>
『銭(インチキ)の力で、戦国の世を駆け抜ける。』シリーズ(KADOKAWA)
『織田信奈の野望 全国版』シリーズ(KADOKAWA)
『戦国小町苦労譚』シリーズ(アース・スター エンターテイメント)

<安倍晴明 登場作品例>
『おとなりの晴明さん ~陰陽師は左京区にいる~』シリーズ(KADOKAWA)
『少年陰陽師』シリーズ(KADOKAWA)

実際の史実と違う内容であったり、歴史上人物の性別が逆であるなど
架空の設定が入りやすく、いわゆる“歴史・時代”小説では
ないものが多いですが、ライトノベルならではの切り口で読む
“歴史もの”の作品をYA層におすすめしてみるのはいかがでしょうか。

[4] 読者アンケート
アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 ご自身のお仕事でスキルアップをしたい分野があれば教えてください。

Q3 ご自身のお仕事のスキルアップのために、読んでいる参考書籍が
あれば教えてください。

Q4 セミナーで講演を聞いてみたい内容があれば教えてください。

下記、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼

リュディエ通信vol.28 アンケート

※4月23日(火)までを締め切りとさせていただきます。

[5] 司書トレ新着information
「子どもたちのためのブックトーク」(小中学校図書館)を新たに追加しました!

★子どもたちのためのブックトークとは…
ブックトークを行う際に必要な実践技術や意義を、
学ぶためのメディアと共に解説。
主に小・中学校の子どもたちと本を結ぶことを考えながら、
豊富な書影を用い説明していく。

子どもたちのためのブックトーク 中村 伸子

[6] DBジャパン新刊information
~新刊案内~

「テーマ・ジャンルからさがす 児童文学2006」
A5・470頁 定価(本体22,000円+税)
ISBN: 978-4-86140-158-9
2021年3月刊行

「テーマ・ジャンルからさがす」児童文学シリーズの新刊!
選書やレファレンス、テーマ展示、ブックトークなど用途に応じて
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その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2021年4月25日(日)に配信予定です。

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