リュディエ通信 Vol.44

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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.44
2022/7/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。

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ご視聴いただけるよう、1動画あたり30分程度となっています。

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・・・・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第二十一回「ライトノベルとTRPG」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] コラム「ぬくぬく学校図書館生活」第三回
[4] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[5] 司書トレ新着information
[6] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第二十一回「ライトノベルとTRPG」

TRPGというゲームをご存知でしょうか。

近年は動画サイトなど、インターネット上の活動が活発であったり、
あるいは有名な海外ドラマで登場したりするので、知っている人も
多いかもしれません。また、関連書籍が図書館に入ることもあるので、
そちらで見た人もいるでしょう。実はこのゲーム、ライトノベルと
深いつながりがあるのです。

TRPGはアメリカで誕生したゲームです。
複数人で遊ぶのが一般的で、ホスト役のプレイヤー(GM)が提示する
「目の前にモンスターが現れたよ」「この部屋には三つの扉があるよ」
などのシチュエーションに対して、各プレイヤーが担当する
キャラクターの行動を「じゃあ殴りかかろう」「扉に聞き耳を立てよう」
といった具合に決定し、役割やキャラクター性を
演じる(ロールプレイする)ゲームです。

このTRPGは元々「RPG」とだけ呼ばれていて、皆さんもご存知の、
あのコンピュータで遊ぶRPG(CRPG)が生まれました。
ただ、日本ではCRPGの方が一般的にヒットしたので、
コンピュータを使う方を「RPG」、会話によって成立する方を
「T(テーブルトーク)RPG」と呼ぶようになったのです。

さて、このTRPGが日本へ入ってきたのは1980年代。
ちょうど、ライトノベルが産声を上げる時期でもありました。
そして、ライトノベル黎明期の大ヒット作になった
水野良の『ロードス島戦記』は、もともとTRPGを遊んでいる様子を
再現する雑誌記事(リプレイ)を小説化したものだったのです。

TRPGなくしてライトノベル黎明期の盛り上がりはなかった……
といったら言い過ぎでしょうが、ゲームっぽさを強く持った
異世界ファンタジーがブームになる中で、TRPGとライトノベルは
かなり密接な関係にあったのは間違いありません。

その後、TRPGは多少の浮き沈みがありつつも親しまれ、現在に至っています。
そして特に日本におけるTRPGの楽しみ方として定着したのが、
前述した「リプレイ」。本来はプレイの様子を紹介するための
ものでしたが、やがてこれ自体が一つのエンタメ、
小説に近い読み物として受容されました。

ライトノベルの一部と見なされることもありますし、
図書館の小説・ライトノベルコーナーでもたまにありますね。
この点でも、ライトノベルについて知識を得たい人は
TRPGのことも知っておいた方がいいと考え、今回紹介しました。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○
第二十一回 友野詳『ルナル・サーガ』(角川スニーカー文庫)
○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

白き輪、万色の彷徨い、銀、緑、黒、そして
赤と青――空に七つの月が浮かぶ世界、ルナル。
それぞれの月を信仰する種族が生きる世界だ。
その中の一つ、法を司る青い月の神ガヤンに仕えるアンディと、
物語を司る赤い月の神シャストアを信仰するエフェメラの
クルツ兄弟は、父親を殺した謎の女性を追って長い旅に出た。

過酷な道中でさまざまな出会いと別れを繰り返しながら、
二人と旅の仲間たちは秘密を知っていく。
それは、この世界を陰で操る秘密結社の存在と、
その歪みから生まれた恐るべき陰謀だった――。

実はこの『ルナル・サーガ』も、前コラムのAtoZで紹介した
『ロードス島戦記』と同じで、TRPGリプレイがルーツの小説です。
実際にゲームを遊んだ結果をベースに、同じところもありながら
また違う物語に仕上がっています。

TRPGはゲーム、それも参加者がそれぞれに考えながら
物語を作るゲームですから、設定が非常にしっかりしていて、
広がりも深みもあるのが特徴です。土台になる世界がしっかりしていないと、
その中で自由に想像を遊ばせることができませんからね。

この『ルナル・サーガ』の舞台も、七つの月を信仰する種族、
中でも赤と青の月に属する八柱の神々とそれらに従う人間たちの
設定がかっちり作られていて、「この世界で人々が生きているんだなあ」と
感じさせてくれる世界観になっています。

そのような土台の説得力の上で、スケールの大きな陰謀や
世界を滅ぼしかねない激突がストーリーを通して描かれている、
つまり奥行きと幅広さの双方を備えた作品こそが
この『ルナル・サーガ』なのです。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] コラム「ぬくぬく学校図書館生活」第三回

こんにちは。都内の学校図書館で働いている司書です。
本コラムでは、私が勤めている学校図書館での日常の出来事を綴っています。

うだるような暑さが続いていますが、夏バテなどされていませんでしょうか。
私が勤めている学校図書館も夏休みが始まりました。

その夏休み前の貸出に合わせて続々と届いたのは、新着図書。
生徒たちもこの日を楽しみに待ちわびていて「新しい本は届きましたか?」と
何度も問い合わせがありました。選書は、蔵書が少ない分類を中心に、
カタログや書店、ブックフェアの情報からの選りすぐりと
生徒と先生からのリクエストから行っています。

生徒が喜ぶ姿や、先生が授業で使いやすいかどうかを想像し
思いを巡らしながら本を選ぶ時間は、プレッシャーもありますが、
とても楽しく、やり甲斐があります。

また、本好きにはたまらないのが、注文をした本が
届いてからの受け入れ作業。大量の本に囲まれ、
個性豊かな装丁を眺めつつ、マスクを少しずらしてみると、
新しい本の匂いが感じられて、とても贅沢なひとときです。

たくさんの人の手に取られますように……と
一冊一冊願いを込めながら、新着シールを貼ったのでした。

[4] 読者アンケート

アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 コーナー展示を考える際に参考にしているメディアなどがあれば教えてください。

Q3 反響が高かった利用者向けの図書館イベントがあれば教えてください。

Q4 ご自身のお仕事に関連することやそれ以外でも「スキルアップ」したいことが
あれば教えてください。

下記、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼

リュディエ通信vol.44 アンケート

※8月18日(木)までを締め切りとさせていただきます。

[5] 司書トレ新着information

「学校図書館支援」(公共図書館)を新たに追加しました!

★「学校図書館支援」内容紹介
資料の量や人的資源が不足しがちな学校図書館に対する
地域公共図書館の支援の考え方やその実践のあり方について解説する。

公共図書館による学校図書館支援 内川 育子

その他コンテンツも公開中!

司書トレのサイトはコチラから▼▼▼

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[6] DBジャパン新刊information

~新刊案内~
お話から考えるSDGs 絵本・児童文学・紙芝居 2010-2014
A5・486頁  定価25,300 円(本体23,000 円+税10%)
ISBN 978-4-86140-258-6 2022年6月刊行

「お話から考えるSDGs 絵本・児童文学・紙芝居2015-2019」の
遡及版が登場。2010年~2014年に刊行された絵本・児童文学・
紙芝居から4,264冊を採録し、テーマ・ジャンル別に分類。
お話のテーマ・ジャンルからSDGsの目標に関連する作品が探せる索引です。

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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YAカレント同好会のDBジャパン

DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

YAカレント同好会のウェブサイトへようこそ!

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2022年8月25日(木)に配信予定です。

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ご連絡ください。

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発行元:YAカレント同好会(株式会社DBジャパン)
「リュディエ通信」編集部

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