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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.82
2025/9/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

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・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第40回「ライトノベルと冒険者ギルド」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] 編集部だより
[4] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第40回「ライトノベルと冒険者ギルド」

以前、「ファンタジー世界を舞台にしたライトノベルには、
ゲーム、特にRPG的な単語が突然出てきて、
わからない人は戸惑うことがある」という話をしました。
そのときは「冒険者」というワードを紹介しましたが、
ここから派生して「冒険者ギルド」についても少しだけ触れました。

この「冒険者ギルド」もかなり独特なワードなので、
ライトノベルを読んでいて困惑する人も結構いるのではないかと思います。
そこで、今回は「冒険者ギルド」について紹介しましょう。

まず、ざっくりと
「近年のライトノベルにおける冒険者ギルド」を見てみます。
多くの作品の世界観において、冒険者ギルドの一番の役割は
「冒険者に仕事を仲介すること」です。
例えば、モンスター退治やアイテム素材の収集といった依頼が
ギルドに集まり、そのギルドに所属する冒険者たちに割り振られたり、
リスト化された依頼を冒険者が自分で選んだりします。
なお、冒険者はしばしば実力や成果に応じてランク分けされており、
ランクによって受けられる依頼が変わります。

そのほか、ギルドは学校を運営していたり、アイテムや技術の製造・研究を
していたりと、冒険者のサポートをすることも多いようです。

とはいえ、この概念はファンタジー・ライトノベルの
歴史において最初から存在したわけではありません。
いくつかの要素が混ざり合って生まれたもの、と考えた方が良さそうです。

・歴史的に実在した職人や商人が、自分たちの利益を守り、
商売を有利に進めるために結成した「ギルド(同業者組合)」

・初期ライトノベルやTRPGからあった冒険者支援組織
(『ソードワールド』の冒険者の店や『フォーチュンクエスト』の
冒険者支援グループ)

・ 傭兵ギルドに所属し、ランクを与えられる傭兵を描いたライトノベル
『ラグナロク』

・ギルド的存在や「依頼を受ける」という形式を導入した
『アーマードコア』や『モンスターハンター』などの有名ゲームシリーズ

これらが相互に影響を与え合い、現在ライトノベルや周辺エンタメで
よく見られる「冒険者ギルド」の概念が生まれたのではないでしょうか。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

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第40回 安井健太郎『ラグナロク』『ラグナロク:Re』
(角川スニーカー文庫→オーバーラップ文庫)
○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

人類が怪物――《闇の種族(ダーク・ワン)》と戦い続けている世界。
リロイ・シュヴァルツァーはかつて傭兵ギルドで
最高位「SSランク」の直前まで昇り詰めながらも、
とある事件により脱退した凄腕の傭兵である。

現在、フリーで活動する彼は、傭兵としての仕事の中で
さまざまな事件に遭遇し、強力な敵と次々に戦うことになる。
その背後には、傭兵ギルドの親元で独自の思惑を持つ企業《ヴァルハラ》を
はじめとする組織・集団の陰謀や、《闇の種族》の蠢動、
そしてリロイ自身の血に秘められた秘密があった……。

しかし、リロイの旅は孤独なものではない。
彼の持つ剣《ラグナロク》は5000年前に対《闇の種族》用に
製造された遺産であり、意思を持ちホログラムのように
自分の姿を外部へ投影することができる。
この《ラグナロク》こそが、本作の語り手である。
直情家のリロイとクールなラグナロク――
二人の掛け合いを軸に、物語は進んでいく。

本シリーズは90年代末から2000年代にかけて
角川スニーカー文庫および雑誌『ザ・スニーカー』で展開していた作品で、
長らく中断していましたが、 近年になってリブート版が
「小説家になろう」で再展開しました。
オーバーラップ文庫から書籍も刊行され、再び数年刊行が停止したものの、
現在は著者によりインターネット上で再び物語が展開されています。

一番の魅力はなんと言っても、スピード感溢れるアクション・バトル描写。
とにかく勢いがある描写は当時から唯一無二として評判になり、
今読んでも決して色褪せません。
リブート版が「小説家になろう」で無料公開されているので、
一度読んでみて自分の好みにマッチしているかどうか
試してみてはいかがでしょうか。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] 編集部だより

息子の通う保育園では、「世界の絵本」が充実しています。
裏表紙には、その絵本のうまれた国の国旗と国名が掲載されているので、
国旗が大好きな息子は「これはイギリスのほん!」「これはイタリア!」
と言いながら楽しそうに絵本を手に取っています。
絵本を通して世界の文化や生活に触れることができるのは嬉しいですね。

[4] DBジャパン新刊information

~新刊案内~
『中高生のための科学の謎を知る本(ヤングアダルトBOOKS8)』
A5・172頁 定価9,790円(本体8,900円+税10%)
ISBN:978-4-86140-632-4
2025年8月刊行

進路や学び、将来の可能性を広げる中高生向けのブックリスト、
「ヤングアダルトBOOKS」シリーズの第八弾!
ブラックホール、量子力学、DNA、遺伝子、ミクロの生命など、
自然や生命には未解明の謎が多く存在する。
本を通して、物理・科学・生物・地学・天文の多彩な分野から
科学的思考力を育てるためのブックガイド。

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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ポピュラーなYA書籍群を指します。

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