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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.60
2023/11/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。

毎月25日に、鮮度の高い“ヤングアダルト”の情報を
YAカレント同好会会員の皆様にお届けしています!

『続 窓ぎわのトットちゃん』が話題になっていますね。
俳優・司会者の黒柳徹子さんの青春期が描かれた本作は
大ベストセラーになった前作『窓ぎわのトットちゃん』から
なんと42年ぶりの発売です。

トットちゃんが体験した空襲、疎開や戦後の話など、
現代を生きる子どもたちにも伝えたい、
忘れてはいけない戦争のことがリアルに描かれています。
初のアニメ映画化もされ、12月8日(金)から
公開予定なのでこちらも楽しみですね。

・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第29回「最近の流行は『配信』?」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[4] 司書トレ新着information
[5] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第29回「最近の流行は『配信』?」

以前、「なろう」系由来の流行物語パターンとして
「追放もの」や「悪役令嬢」がある……という話を紹介しました。

「小説家になろう」をはじめとするウェブ小説の世界は
「UGC」と言いまして、コンテンツを作っている人たちが
同時にユーザーでもあるという関係性になっています。

そのため、「ウケた作品の影響を受けてすぐに大量のフォロワーが現れ、
作品数も一気に増える(結果として、飽きられるのも比較的早いため、
新しい流行もなかなか早く登場する)」という傾向があるようです。
つまり「回転が速い」わけですね。

そうした回転の中から近年出てきた新しい流行テーマが
「ダンジョン配信(実況)もの」です。
これだけ聞きますと、現代の漫画・アニメ・ゲームカルチャーに
詳しくない人には何が何だかよくわからないかもしれません。

発想のベースは、「なろう」系定番の、
ゲーム的な色合いの強いファンタジーで、
ダンジョンに挑戦する冒険者的な職業の
キャラクターの活躍を描くものなのですが、
特徴として「ダンジョンが現代日本に出現しており、
現代人が何かの事情や能力によって攻略に挑む」
という要素があります。

実は現代ダンジョンもの自体は以前から
ライトノベルあるいは「なろう」系にあったのですが、
そこに「配信(実況)」――つまり、攻略中の様子を配信する
ユーチューバー(ライバー)的要素が
入ってくるところが新しいわけです。

ここまででわかってくださると思いますが、
「ダンジョン配信(実況)もの」は「なろう」系の定番要素と、
現代の若者たちにとって近しい要素である
「ユーチューバー(ライバー)」「ゲーム配信(実況)」を
組み合わせたアイディアであるわけです。

おそらく遠くないうちに紙の小説やコミカライズ、
アニメなどの形で皆さんの前に現れることでしょうから、
その際にはこの点を注意してみてください。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

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第29回 支援BIS、菊石森生
『辺境の老騎士』(KADOKAWA)
○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

その世界で人間が居住する広大な地域は、
壁によって取り囲まれている。
壁の外には人間と敵対する魔獣が住んでおり、
人間の居住地域にもかつては多数の魔獣がいたが、
今はそのほとんどが狩り尽くされていた。

しかし、辺境は少し事情が違う。
辺境にはまだ魔獣がおり、しかも壁の切れ目がある場所から
しばしば外の魔獣が侵入を窺っていたのだ。
その切れ目のほど近くを領地とする
テルシア家筆頭騎士、バルド・ローエンは
長らく魔獣と戦い続けてきた歴戦の猛者である。

しかし、そのバルドも流石に老いた。
また、あまりにも活躍しすぎたゆえに
自らの存在が家にとって邪魔になりつつあるとも気づいた。
そのため、バルドは立場を捨て旅に出たのだ。

それは各地の美食・名物を楽しむ気楽な旅のつもりだったが、
実際には数々の人々との出会いと別れ、陰謀と戦い、
そして世界の命運を左右する大冒険へと発展していく――。

このシリーズは「小説家になろう」連載作品ですが、
「なろう」系で一般的な、ゲーム的ファンタジーの色彩は
薄いものとなっています(むしろシリーズが進むにつれて
SF的な色合いが強くなってくるのですが、ネタバレなので避けます)。

この作品で全面に出てくるのは、リアリティ・説得力のある
中世ヨーロッパ風世界の暮らしであり、人々の生き様です。
ヨーロッパそのものではないからこそある程度作者にとって
都合のいい設定が作れるようになっていて、
例えば「主な穀物が米で、名物が卵かけご飯」な
地域なども登場します。

人によっては「食中毒が起きるのでは」など
気になる人もいそうな設定ですが、描写が巧みで、
また皆さんにとって親しい食べ物ですから、
引っかからない人の方が多いでしょう。

つまり、「なろう」系的な楽しく都合のいい世界観と、
リアリティ・説得力のある世界観の、
良いところ取りの作品であるわけです。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] 読者アンケート

アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 ヤングアダルト向けの選書で困っていることが
あれば教えてください。

Q3 反響が高かった利用者向けの図書館イベントがあれば教えてください。

Q4 ご自身のお仕事や、それ以外のことでも
「スキルアップ」したいことあれば教えてください。

以下、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼

リュディエ通信vol.60 アンケート

※12月18日(月)までを締め切りとさせていただきます。

[4] 司書トレ新着information

「資料収集方針と自治体政策」(全館種共通)、
「地域資料サービスの基礎知識」(全館種共通)を
新たに追加しました!

★「資料収集方針と自治体政策」内容紹介
自治体政策との関わりも踏まえた、
公共図書館における資料収集のあり方。
書籍のみならず、行政が発行する統計書や計画書、
地域団体が作成するパンフレットやポスターなどを
含めた地域資料に特化した資料収集のあり方について、
豊富な事例を交えて解説する。

資料収集方針と自治体政策 内野安彦

★「地域資料サービスの基礎知識」内容紹介
地域資料サービスを実践する上で前提となる、
地域の歴史や文化、地理、行政や地域関連団体等、
該当地域の特性を知るための方法について紹介。
豊富な事例を交えながら解説する。

地域資料サービスの基礎知識 蛭田廣一

[5] DBジャパン新刊information

~新刊案内~
『テーマ・ジャンルからさがすSF作品2010-2014』
A5・428頁 定価25,300円(本体23,000円+税10%)
ISBN: 978-4-86140-412-2
2023年10月刊行

児童文学、ライトノベル・ライト文芸の中で
テーマやジャンルに応じて、SF作品を見つけられる索引です。
選書、レファレンス、テーマ展示の参考資料探しに
便利な図書館のレファレンスツール!

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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YAカレント同好会のDBジャパン

DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2023年12月25日(月)に配信予定です。

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