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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.50
2023/1/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。

毎月25日に、鮮度の高い“ヤングアダルト”の情報を
YAカレント同好会会員の皆様にお届けしています!

★弊社社長の三膳が講師を務めました
新宿区立中央図書館様主催のビジネス情報支援講演会
「女性の働き方 ~お悩み解決には図書館を~」が
本日1月25日(水)より、
新宿区の公式YouTubeチャンネルにて配信されています!

本講座では、「女性の働き方」を大枠のテーマとし、
「ビジネス情報支援」という観点で、
図書館の有効な活用方法や、
新宿区立中央図書館様において提供されている情報や支援内容、
働く女性が多く抱えるお悩みや解決方法、
場面別のケーススタディなどについてお話ししています。

2023年2月28日までの期間限定配信となっていますので、
ぜひご覧ください !

「女性の働き方 ~お悩み解決には図書館を~」(前編)

「女性の働き方 ~お悩み解決には図書館を~」(後編)

【新宿区 公式チャンネル】
https://www.youtube.com/@CityShinjuku

・・・・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第二十四回「悪役令嬢もの」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] 『眞野先生。本が傷んだら修理するだけじゃダメってホント?
~ストーリーでわかる図書館の資料保全の考え方~』刊行記念セミナー
「資料を未来につなぐ 東日本大震災で考えたこと」のご案内
[4] コラム「ぬくぬく学校図書館生活」第6回
[5] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[6] 司書トレ新着information
[7] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第二十四回「悪役令嬢もの」

前回紹介した「追放もの」と同じく、「なろう系」から出発して
他ジャンルにも流行した定番パターンに、「悪役令嬢もの」があります。
なかなかパンチのあるキーワードなので、聞いたことがある人も
少なくないのではないでしょうか。

この物語パターンでは、「悪役令嬢」と呼ばれるキャラクターが
基本的に主人公を務めます。悪役令嬢は「悪役」つまり
本来の主人公と敵対するライバル的なポジションのキャラクターで、
かつ「令嬢」すなわち気位の高いお嬢様であると言うのが
ベーシックな形ということになります。
ここからもわかる通り、本当は主人公を務めないキャラクターを
主人公にする、逆転の発想・構造にこそ面白さがあるわけです。

多くの場合、悪役令嬢ものは乙女ゲーム
(主人公の女性がイケメンたちと交流するゲーム)の構造を利用します。
乙女ゲームの世界あるいは乙女ゲーム風の構造を持つ世界を舞台に、
悪役令嬢ポジションのキャラクターが、「このままだと破滅する」
という展開に抗っていく様が物語の中心になります。

このパターンのちょっと面白いところとして、
「いわゆる乙女ゲームにはあまり悪役令嬢的なキャラクターはいない」
とされていることがあります。
しかしその一方で、日本エンタメの長い歴史の中では、
「主人公を目の敵にする気位の高いお嬢様」的キャラクターは
複数存在するのです。
おそらく悪役令嬢ものは単に乙女ゲームを真似たのではなく、
そのようなさまざまなエッセンスが混ぜられ、
作り上げられたものと思われます。

このような、多数の元ネタから新しい発想が生み出されるのも、
ライトノベル(をはじめとするエンタメ)の
面白いところだと私は思うのですが、いかがでしょうか。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

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第二十四回 高畑京一郎『タイム・リープ あしたはきのう』(電撃文庫)
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高校二年生の鹿島翔香はある日、昨日何があったか
全く覚えていない、と気づく。手掛かりは自分の日記に書かれた、
見覚えのない自分からのメッセージだけ。

過去の自分に導かれて出会ったクラスメイトの若松和彦は
当初取りつく島もない様子だったが、翔香の身に降りかかっている
奇妙な出来事を知ると、興味を持って事件に関わってくる。
実は翔香は記憶を失っているのではなく、
ある期間を時間移動――タイム・リープしているのだ!
移動の法則を確かめる中、翔香に起きていた
事件の真相が明らかになっていく……。

本書は電撃文庫の初期を支えた著者の、代表的な作品です。
近年復刊されて手に取りやすくなったので、紹介いたしました。
派手なバトルや目立つ超常現象などは特別に起きません。
しかし、タイム・リープ現象及びその原因になった
事件の謎解きが持つ“SFミステリー小説”の顔と、
普通の女子高生である翔香と変人の和彦の掛け合いが
楽しい“青春小説”としての顔を持っていて、
今読んでも十分に満足できる作品になっています。

高畑京一郎は他の電撃文庫初期の新人賞受賞者と共に、
当時のライトノベルの書き手・読み手に大きな影響を与えた人で、
ライトノベル史的にも重要な存在になっています。

例えばデビュー作の『クリス・クロス 混沌の魔王』は、
最先端のヴァーチャル・ゲームを楽しんでいたところ
それが死のゲームになってしまい……と言う展開が、
近年定着化したデスゲームものと重なるところが大きく、
時代を先取りした作家と言えます。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] 『眞野先生。本が傷んだら修理するだけじゃダメってホント?
~ストーリーでわかる図書館の資料保全の考え方~』刊行記念セミナー
「資料を未来につなぐ 東日本大震災で考えたこと」のご案内

このたび、「教えて!先生」シリーズ・第1弾、
『眞野先生。本が傷んだら修理するだけじゃダメってホント?
~ストーリーでわかる図書館の資料保全の考え方~』の
刊行記念セミナーとして、監修者・眞野先生が語る
「資料を未来につなぐ 東日本大震災で考えたこと」を
3月11日(土)15:00~、オンラインにて開催することとなりました。

東日本大震災の被災地の図書館や資料の復興を支援した眞野先生に、
その経験をもとに図書館資料を未来に繋げるために大切にしている
資料保存の根幹に迫る“考え方”をお話しいただきます。

ぜひご参加をお待ちしています!

詳しくはコチラから▼▼▼

「教えて!先生」シリーズ監修者セミナーのご案内

お申込みはコチラから▼▼▼
https://dbj.stores.jp/items/63d07a0b34041a7f37041350

[4] コラム「ぬくぬく学校図書館生活」第6回

こんにちは。都内の学校図書館で働いている司書です。
本コラムでは、私が勤めている学校図書館での日常の出来事を綴っています。

私の勤めている学校では月に一度、中学生に
絵本の読み聞かせを行なう機会があります。
2冊読んでその絵本をもとにブックトークもしています。

幼い頃の柔軟な感性、吸収力が色褪せてしまったとしても、
歳を重ねたからこそ味わえる、絵やお話がありますよね。
中学生という子どもと大人の間とも言える多感な時期に、
どのような絵本に触れてもらおうかなと
選書の段階からとてもワクワクします。

はじめは「絵本って子ども向けでしょ」という顔をしていた生徒たちも、
読み進めるうちに集中して耳を傾け、じっーと絵本を眺めてくれます。
そして終わったあとには、穏やかで落ち着いた表情と
空気になっているように感じます。

言葉で直接的に伝えると自分が意図していない
伝わり方になってしまったり、取り扱うテーマによっては
聞く段階から壁ができてしまうこともあるかもしれません。
そんなとき、こうして絵本に伝えたいメッセージを込めて、
どうか必要な人に届きますようにと読むことで、
ひとつの貴重なコミュニケーションになりそうです。

今年も試行錯誤しながら、読み聞かせを通しての
会話を楽しんでいきたいと思います。

[5] 読者アンケート

アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 選書の際に参考にしているメディアなどがあれば教えてください。

Q3 反響が高かった利用者向けの図書館イベントがあれば教えてください。

Q4 ご自身のお仕事に関連することやそれ以外でも「学び直し」したいことが
あれば教えてください。

下記、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼

リュディエ通信vol.50 アンケート

※2月18日(土)までを締め切りとさせていただきます。

[6] 司書トレ新着information

「司書人脈形成(専門図書館編)」(専門図書館)を新たに追加しました!
 
★「司書人脈形成(専門図書館編)」内容紹介
ワンパーソンや少人数体制で勤めることの多い専門図書館員が、
スキルアップ、キャリアアップ実現のために必要とする
人的ネットワークのつくり方。
「社内の方」「外部の図書館人」「所属業界の方」
「キャリアアップのための人脈」の4つの軸に基づいて説明する。

司書人脈形成(専門図書館編) 山﨑 久道

その他コンテンツも公開中!

司書トレのサイトはコチラから▼▼▼

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[7] DBジャパン新刊information

~新刊案内~

『テーマ・ジャンルからさがす学習支援本2017①
社会・生活・暮らし/状況・行動・現象/科学・化学/自然・環境/
星・宇宙・地球/生物/動物/恐竜・絶滅生物・古生物・古代生物/
情報・通信・メディア/物質・物体・資源』
A5・388頁 定価25,300円(本体23,000円+税10%)
ISBN: 978-4-86140-318-7
2022年12月刊行

『テーマ・ジャンルからさがす学習支援本2017②
産業・技術/立場・職業/歴史上の人物・著名人/歴史/道具・装置・機械/
交通・乗りもの/年代・時代/文化・芸能・スポーツ/
場所・建物・施設・設備/学問・理論/地域情報/作品情報』
A5・398頁 定価25,300円(本体23,000円+税10%)
ISBN: 978-4-86140-319-4
2022年12月刊行

子どもの学習に役立つ本を探せると好評!
2017年に刊行された学習支援本1,998冊をテーマ・ジャンル別に収録。
調べ学習支援や自由研究のテーマ決め、知的好奇心を育む本など
幅広い分野の学習支援本が選べるレファレンスツールです。

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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YAカレント同好会のDBジャパン

DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

YAカレント同好会のウェブサイトへようこそ!

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2023年2月25日(土)に配信予定です。

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発行元:YAカレント同好会(株式会社DBジャパン)
「リュディエ通信」編集部