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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.34
2021/9/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。

YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。

毎月25日にYAカレント同好会会員の皆さまに、
“ヤングアダルト”にまつわるお役立ち情報をお届けしています。

コロナウイルスの影響で、学校の夏休みが
延長された地域も多くあったようですね。
夏休み中に弊社の『星新一登場人物索引』と一緒に
星新一の著作を借り、見比べて読書を堪能した
児童がいたという小学校図書館司書さんからのお話も聞きました。

索引から読書の新たな喜びを知ってもらうことができ
とても嬉しく思います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第十六回 「ライトノベルと学問(文学)」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] コラム「レファレンスツールのいろいろ」
[4] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[5] 司書トレ新着information
[6] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第十六回 「ライトノベルと学問(文学)」

「ライトノベル」と「学問(文学)」という言葉は
しっくり来ない、と感じる人もいるかもしれません。

しかし、そもそも今では古典と呼ばれるような文学作品であっても、
書かれた当時は娯楽・エンタメだったことがほとんどです。

そのように人々が楽しむ娯楽作品の中に、
当時の世相や価値観を見出したりします。

そう考えれば、ライトノベルが文学作品とみなされ、
学問の研究対象になるのは、
決しておかしなことではありません。

けれども、ライトノベルが80年代末の出現当時から
「文学」であったと言ってしまうと、
これは流石に大げさでしょう。

ライトノベルが学問的な研究ターゲットになりはじめたのは、
ゼロ年代からと見るべきのようです。

当時、データベース消費というキーワードで文化を分析していた
東浩紀がライトノベルを扱ったり、大塚英志が雑誌連載で
(当時はまだライトノベルという言い方はしていなかったのですが)
ライトノベル的な作品の作り方・分析をしていたのが先駆けでした。

やがて、学生たちも「自分の研究・卒論の題材として
ライトノベルを扱いたい」と考えるようになっていきます。

大学院の学生たちからのそのような要望を受けて、
横浜国立大学と目白大学の教授たちを中心に
「ライトノベル研究会」が設立されました。

この研究会の関係者は数々の著作を刊行し、
ライトノベル研究の礎になっています。

また、別の方向から、波戸岡景太『ラノベのなかの現代日本』という、
ライトノベルから現代日本を分析する本なども出てきました。

これからもライトノベルは文学として、エンタメとして、
学問の対象になっていくことでしょう。

ちなみに、私の所属する榎本事務所でも
『ライトノベル文学論』という本を出しています。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[2] 名作ライトノベル紹介

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第十六回 有川浩『図書館戦争』シリーズ(KADOKAWA)
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メディア良化法によってあらゆる創作物が検閲される、
もう一つの現代日本。

時に武力まで用いて表現を狩るメディア良化委員会と
良化特務機関に立ち向かえるのは、やはり武力組織である
図書隊を持つ図書館だけだった。

そんな中、とある女性が図書隊に入隊する。彼女の名は笠原郁。
かつて図書隊員に救われたことから、その隊員を「王子様」と崇拝し、
同じようになりたいと図書隊の門を叩いた。

ところが、指導教官の堂上篤との関係は最悪で、
いがみ合いながら郁は図書隊の最精鋭である
図書特殊部隊隊員を目指して奮闘することになる。

篤と自分の因縁など知る由もないまま……。

本書の作品テーマは、現代日本で表現の自由をめぐって
銃火器まで用いた争いが行われるという、
一見すると荒唐無稽なものです。

しかし、現実にも存在するような社会問題を丁寧に組み合わせて
設定やストーリーを作っていくため、
時に嫌になる程リアリティを感じさせもします。

その中で、優れた能力や精神性を持ちつつも、基本的には
「普通の人」である郁たちが知恵と勇気を振り絞って戦う様が
なんとも魅力的です。

また、そのようなシリアス展開だけでなく、
時に胸がいっぱいになり、時にヤキモキするようなラブ展開が
沢山あるのもいいところですね。

一般的な、いわゆるライトノベルとは違うレーベルから
出ていて、漫画・アニメ風のイラストもないなど、
ちょっと毛色が違う作品に見えるかもしれません。

しかし、先に挙げたような魅力は十分にライトノベル的だと
思いますので、今回紹介しました。

(執筆:榎本事務所 榎本海月様)

[3] コラム 「新宿区立四谷図書館様“調べもの応援講座”実施報告」

8月29日に東京都新宿区の四谷図書館様の「調べもの応援講座」にて
「事典から学ぶ・楽しむ・読みたい本を探す 歴史・時代小説」の
講演を行いました。

講座では、弊社刊行の『歴史・時代小説登場人物索引』や
『テーマ・ジャンル・歴史上の人物からさがす歴史・時代小説』を
使った歴史・時代小説クイズや、歴史・時代小説で興味を
持っている話の題材などを手掛かりに、事典から作品を選んで
“これからの読書のための本のリスト”を作成していただきました。

今回の調べもの講座を通し、参加者の方から「テーマやジャンルなどから
作品を選ぶことは、新鮮で興味深かった」というご感想をいただくとともに
四谷図書館のご担当者様にも講座内容をご評価していただきました。

このように図書館の利用者の方に、本に対する新たな視点での
興味を持ってもらうことで、来館につながりそうですね。
今後は、“索引の作り方” の講演も予定しているなど、
来館者や司書の方に向けた講演を続々と企画中です。
イベントについては企画から講演まで承らせていただけますので、
どうぞお気軽にお問合せください!

[4] 読者アンケート
アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。

Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。

Q2 ご自身のお仕事でスキルアップをしたい分野があれば教えてください。

Q3 ご自身のお仕事のスキルアップのために、読んでいる参考書籍が
あれば教えてください。

Q4 セミナーで講演を聞いてみたい内容があれば教えてください。

下記、応募フォームよりご応募ください。

▼▼▼

リュディエ通信vol.34 アンケート

※10月22日(金)までを締め切りとさせていただきます。

[5] 司書トレ新着information

「司書の人脈形成」(全館種共通)、
「情報リテラシー教育方法」(大学図書館)を
新たに追加しました!

★司書の人脈形成とは…
一人司書の方たちが自館への何らかの改善の気づきを得るために、
主に同館種他館の司書との情報交流を積極的に図るための活動のあり方。

司書の人脈形成 松田ユリ子

★情報リテラシー教育方法とは…
集団指導として行う図書館利用教育のための事前準備、
心構え、実施範囲の決め方、プログラム作成の留意点、
基本指導の範囲とステップアップ指導、
指導手段などの学び方を解説する。

情報リテラシー教育方法 毛利 和弘

その他コンテンツも公開中!
司書トレのサイトはコチラから▼▼▼

ホーム

[6] DBジャパン新刊information
~新刊案内~

「テーマ・ジャンル・歴史上の人物からさがす歴史・時代小説2019」
A5・412頁 定価(本体22,000円+税)
ISBN: 978-4-86140-204-3 2021年8月刊行

「テーマ・ジャンル・歴史上の人物からさがす歴史・時代小説2018」の続編。
選書、レファレンス、テーマ展示の参考資料など、
用途に応じて歴史・時代小説が選べる便利な図書館のレファレンスツールです。
2019年に日本で刊行された歴史・時代小説845作品を収録。

その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/

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YAカレント同好会のDBジャパン

DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。

YAカレント同好会のウェブサイトへようこそ!

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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2021年10月25日(月)に配信予定です。

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「リュディエ通信」編集部