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YAカレント同好会 リュディエ通信 Vol.72
2024/11/25発行
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こんにちは。YAカレント同好会です。
YAカレント同好会が運営するメールマガジン「リュディエ通信」。
毎月25日に、鮮度の高い“ヤングアダルト”の情報を
YAカレント同好会会員の皆様にお届けしています。
11月19日から国際子ども図書館の
公式Instagramアカウントが開設されました。
同図書館で行なわれる展示会やイベントや
魅力的な建物や所蔵資料の情報などが発信されています。
国際子ども図書館ならではの、貴重な情報が得られそうですね。
https://www.instagram.com/ndlkodomo/
・・・・・・・・・・・・・・目次・・・・・・・・・・・・・・
[1] ライトノベルAtoZ 第35回「デスゲーム」
[2] 名作ライトノベル紹介
[3] 読者アンケート ※抽選で3名様にDBジャパンの索引をプレゼント!
[4] 司書トレ新着information
[5] DBジャパン新刊information
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[1] ライトノベルAtoZ 第35回「デスゲーム」
デスゲーム。つまり、参加者の生死をかけたゲームのことです。
多くの場合、参加者は自由意思ではなく強制的に
(あるいは莫大な借金などのせいで選択の余地なく)
ゲームに参加させられることになります。
勝利者には賞金が与えられることもあれば、
命が助かるということが最大の報酬であったりもして、
結局次のゲームに参加させられるだけというケースも珍しくありません。
このデスゲームを主題に取ったエンタメは、
なろう系やライト文芸を含むライトノベルはもちろんのこと、
児童小説や漫画、アニメ、ゲーム、ドラマなどで
非常に人気のあるジャンルなので、
ご存じの方も多いことでしょう。
デスゲームは複雑な事情や前置きをある程度省略して
インパクトのある展開を持ってくることができます。
冒頭で参加者をひとり殺すことで緊迫感を与え、
また中盤にダレてきたら犠牲者を増やしたり
ゲーム参加者を増やしたりできるわけです。
そのため、昔からエンタメで人気のあるテーマでした。
スティーブン・キングの『死のロングウォーク』や
『バトルランナー』などがこのジャンルの
古典的作品として知られています。
そもそもローマ帝国ではコロッセオにおいて剣闘士を人間同士、
あるいは人間と野獣という組み合わせで戦わせており、
これをデスゲームの起源と見ることもできるでしょう。
史実でやっていることなのですから、
エンタメで取り上げるのも当然であるわけです。
日本ではどちらかと言うと漫画にヒット作が多く、
福本伸行『賭博黙示録カイジ』や
甲斐谷忍『LIAR GAME』が知られています。
しかし、小説にも高見広春『バトル・ロワイアル』や
山田悠介『リアル鬼ごっこ』など、のちの多くの作品に
影響を与えたデスゲームものがあります。
ライトノベルでは川原礫『ソードアート・オンライン』が
「ヴァーチャル・リアリティゲームの中で死んだら
本当に死んでしまう」という意味で、デスゲーム要素の強い作品です。
これらの作品群はどんな形で死をもたらすか、
軸になっているゲームがどんなものか、
また死の恐怖が登場人物たちに何をもたらすかという点で
それぞれに工夫があり、デスゲームというジャンルの
幅広さを感じることができます。
(執筆:榎本事務所 榎本海月様)
[2] 名作ライトノベル紹介
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第35回 ベニー松山『隣り合わせの灰と青春』
(JICC出版局(現、宝島社)、集英社、幻想迷宮書店)
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城塞都市の地下に十階層の巨大迷宮が存在した。
その最下層には、悪の魔術師ワードナが都市の王トレボーから
盗み出した「魔除け」を手にして居座っている。
モンスターがうろつく迷宮を抜け、
魔術師を打倒することができれば、褒美は思うがまま――
その誘い文句に乗って各地から集まった冒険者たちは、
己の命をかけて迷宮を彷徨い、ワードナと魔除けを探していた。
そんな冒険者たちの中でも特に探索を順調に進めていたのが、
戦士スカルダのパーティーだった。しかし、
突如として現れた強敵に彼らの力は通じず、犠牲者が出てしまう。
新しい力を模索するもの、新たな仲間を探すもの、
自分の力を信じるもの。それぞれの思惑が交差しながら
迷宮に潜る彼らの前に、恐るべき陰謀と真実が姿を表す――。
本作はコンピューターRPGの名作『ウィザードリィ』シリーズ
第1作のノベライズ作品です。このシリーズはさまざまな
書き手によって小説になっていますが、
特に本作及び続編『風よ。龍に届いているか』は名作の呼び声が高く、
本作は近年になってコミカライズ『魔境斬刻録 隣り合わせの灰と青春』が
始まっているほど、時代を超えた人気を獲得しています。
本作の特徴の1つは、古典的ゲームならではの事情を
上手く小説に変換していることです。
戦士・魔術師・盗賊・僧侶・侍・君主・忍者という
クラス(職業)を持つ冒険者が6人1組で迷宮に挑むこと。
彼らにはレベルが存在すること、また善、中立、悪という
戒律(思想)があり、善と悪はパーティーを組むのに制限があること。
これらのいかにもゲーム的な設定を、「どうしてそうなっているのか」
「そのことが冒険者たちの行動にどう影響しているのか」と噛み砕き、
物語に反映することで、思わぬドラマチックな展開も作り上げています。
もちろん、冒険者たちが繰り広げる人間ドラマも充実しています。
彼らそれぞれに目的があり、事情があり、ポリシーがあるのです。
そのことで時に対立し、時に手を取り合って困難に立ち向かう姿は、
多くの読者の胸を熱くすることでしょう。
(執筆:榎本事務所 榎本海月様)
[3] 読者アンケート
アンケートにご協力いただきました方の中から、
抽選で3名様にDBジャパンの既刊索引を1冊プレゼント!
※当選された方には、メールでご連絡いたしますので、
その際に送り先のご住所をお知らせください。
Q1 “ヤングアダルト”層にオススメ(もしくは実際に読まれている)の
書籍を教えてください。
Q2 ヤングアダルト向けの選書で参考にされている
情報媒体等を教えてください。
Q3 利用者向けの展示やイベントや工夫されていることを教えてください。
Q4 ご自身のお仕事や、それ以外のことでも
学び直ししたいことがあれば教えてください。
以下、応募フォームよりご応募ください。
▼▼▼
https://ya-current.com/magazine72inquery/
※12月18日(水)までを締め切りとさせていただきます。
[4] 司書トレ新着information
「自治体予算の仕組みと獲得」
を新たに追加しました!
★「自治体予算の仕組みと獲得」内容紹介
図書館運営の基礎となる図書館の予算の仕組みと概要を紹介。
また、図書館予算の特徴、予算を獲得するうえでの必要な課題を、
公共図書館館長時代の経験をもとに具体的に解説する。
https://study.shisho.online/contents/001-as/
[5] DBジャパン新刊information
~新刊案内~
『齊藤先生。ネット時代のレファレンスって何が大事なの?
〜ストーリーでわかる本とネットのレファレンスサービスの考え方〜』
A5・192頁 定価2,970円(本体2,700円+税10%)
ISBN: 978-4-86140-554-9
2024年10月刊行
図書館業務に役立つ“考え方”が、各テーマのエキスパートから、
物語を通して学べるシリーズ。
第5弾は、利用者に寄り沿ったレファレンスサービスを目指す
司書・遠藤翔子が齊藤誠一先生と出会い、
本とネットを活用したハイブリッドなレファレンスサービスや、
「調べる楽しさ」を実感してもらうための
コミュニケーションやその考え方の基礎を学んでいきます。
その他書籍情報はコチラから▼▼▼
https://www.db-japan.co.jp/books/
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YAカレント同好会のDBジャパン
DBジャパンが提唱するYAカレントとは、
その時期に、中学生・高校生によく読まれている
ポピュラーなYA書籍群を指します。
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最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。
「リュディエ通信」次回は2024年12月25日(水)に配信予定です。
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その他ご要望に関しては以下のお問い合わせフォームより
ご連絡ください。
発行元:YAカレント同好会(株式会社DBジャパン)
「リュディエ通信」編集部
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